当たり前に出来ることの有難さ
退院して10日が経ちました。
足首~くるぶしや、
腰の傷口周辺の痛みは続いているものの、
一つ一つに過剰反応してしまわないように、
「長い目でみよう」
と、自分に言い聞かせています。
もちろん、無理はしないつもりでいますが、
家に帰ると、
それなりに動かないといけません。
食べることに関しては、
まずは、ご飯を炊くことから開始。
カップで計量し、流しに立って、お米を研ぐ
たったこれだけでも、ものすごく疲れる。
次の段階として、
野菜を切るだけでもヘロヘロ…
なんとかかんとか、
ようやく、お味噌汁と簡単なおかずを
作れるようになりました。
洗濯もしかり。
ドラム式洗濯機の扉を開けて、
洗濯物を出し入れするにも、膝をつかないと
腰に負担がかかってしまいます。
かごも重たくならないように
少しずつ運んで干していますが、
これまた地味に疲れる。
家事って、こんなに大変だったっけ…
悲しいことに、筋力が低下しているので、
手元が狂ってお米をぶちまけたり、
せっかく淹れたハーブティを
カップごとひっくり返したり…(^_^;)
しなくてもいいことも含め、
何か一つするたびに、
こたつの横に敷いた布団へなだれ込み、
休憩しては、また動く、の繰り返しですが、
それでも、少しずつ以前のように
出来ることが増えてきたことが
本当に嬉しいです。
当たり前に出来ていたことができなくなって
改めて気付く健康であることの有難さ。
自分の身体が自由に動いて、
当たり前のことだと思っていたことを
何も考えずにできることが、
どんなに嬉しくて有難いことか、
身をもって経験しないと
気付かなかったかもしれません。
入院してから手術までは、
医療用麻薬が点滴されていたため、
2週間お風呂に入れませんでした。
頭はベトベト、身体は痒くて仕方ない。
手術前日に、やっとシャワーを浴びた時、
「お風呂に入れるって、
こんなにも幸せなことなんだ」
と、本当に嬉しかったことを
今でも思い出します。
同時に、頭の中をよぎったのは、
震災で被災された方々のことでした。
中には1か月もお風呂にも入れず、
ままならない避難所生活を
余儀なくされていた状況を思うと、
想像しただけで胸が苦しくなってしまう。
自分ではどうすることもできない
状況に置かれた時、
人の心は疲弊し、正常な精神を
保つことができなくなってしまいます。
それでも、ひとりじゃない。
「いつかはできるようになる」
と気持ちを奮い立たせることで、
人は苦難を乗り越える力を持っています。
明日から3月。
あと1か月は療養しながらも、
日々は過ぎていきます。
一つずつ目の前のことに向き合いながら
身体と心を調えていきたいです。