「わたしはあかねこ」から考える~みんなとおなじがいいのかな?~
本屋さんで、ふと目に留まった一冊の本。
くろねこのおとうさんと、しろねこのおかあさんから、
しろねこちゃん、くろねこちゃん、とらねこちゃん、ぶちねこちゃん、
そして、あかねこちゃんが生まれます。
おとうさんも、おかあさんも、ほかの兄弟たちも、
自分たちと色が違うあかねこちゃんの色を、
どうにかして同じにしようと、あれこれ試みます。
でも、当のあかねこちゃんは、自分の色がとっても気に入っていて、
みんなと同じじゃなくても、全然気にしていないのです。
そのうち、しんどくなって、家出してしまいます。
そこで出会ったのが、あおねこくん。
あかねこちゃんは、自分の色を褒めてくれたあおねこくんと一緒に過ごし、
やがて、虹になぞらえて、それぞれ違う色のあかちゃんが生まれました。
屋根の上で、一家並んで空の虹を見上げる、というシーンで終わり。
立ち読みでしたが、読み終わった後、色んな気持ちが沸き上がりました。
みんなとおなじがいいのかな?
あかねこちゃんは、そんなふうに思いながらも、
心の中では、たとえ色が違っていても、
「ありのままの姿」
を家族に受け入れてほしかったんじゃないかな?
兄弟で比べたりすることは、子どもにとって、とってもしんどいこと。
自分の存在そのものを、否定されてしまうからです。
居場所をなくしたあかねこちゃんは、家を出て、別の場所で
自分のことを認めてくれるあおねこくんと出会うことができましたが、
本当は、「おとうさんやおかあさん、兄弟たちに認めて欲しかった」
という気持ちがあったかもしれません。
同じ親から生まれても、それぞれ違って当たり前。
「みんな違っていいんだよ」
まず大人が、子どもに伝えるべきことなのではないのかな、と
改めて考えさせられる絵本でした。